A:妊活をはじめる前に

Q. 妊活と不妊治療は何が違いますか?まず何から始めればよいですか?

「妊活」とは、妊娠を目指して生活習慣を整えたり、排卵日を意識してタイミングを計ったりする、医療に頼らない自然な取り組みを指します。一方「不妊治療」は、医師の診察・検査・薬や処置を通じて妊娠を助ける医療行為です。

まず何から始めればよいか迷う方も多いですが、おすすめは「婦人科・不妊専門クリニックへの相談」から始めることです。検査を受けてみると、原因が思いがけない場所にあるケースや、すでに医療的なサポートが必要な状態であることが判明する場合があります。「まだ妊活を始めたばかりだから」と受診をためらわずに、早めに専門家に相談することで、治療が必要かどうかを正確に判断できます。

当院では「とりあえず一度話を聞いてほしい」という段階の方には、『プレコン相談室』という看護師/体外受精コーディネーターが話を聞いてくれる外来を無料で提供しています。今あなたが気になることを聞いて、あなたに適切なアドバイスをしてくれます。またその上で必要なら医師の診察を受けることもできます。詳しくは当院のプレコン相談室をご覧ください。

Q. どのくらいの期間妊娠しなければ、不妊を疑った方がよいですか?

一般的に、避妊をせず通常の夫婦生活を1年間続けても妊娠しない場合を「不妊」と定義します(日本産科婦人科学会)。ただしこれはあくまで目安であり、年齢によって受診のタイミングは変わります。

年齢別の目安:

  • 35歳未満:1年を目安に受診を検討
  • 35〜39歳:6か月経っても妊娠しなければ早めに受診
  • 40歳以上:妊活開始と同時に受診を強くおすすめします

女性の卵子の数と質は年齢とともに低下します。特に35歳以降はその変化が加速するため、「もう少し様子を見ようか」と時間を過ごすことが、結果的に選択肢を狭めてしまうことがあります。「まだ大丈夫」と思わず、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。

Q. 不妊治療はいつから始めるべきですか?年齢・タイミング別の目安を教えてください

不妊治療を開始するタイミングに、万人共通の「正解」はありません。ただし、年齢は妊娠の可能性に大きく影響するため、以下を目安にしてください。

年齢推奨行動
30歳未満妊活開始から1年後を目安に受診を検討
30〜34歳6か月〜1年を目安に受診
35〜39歳妊活開始から3〜6か月で受診
40歳以上妊活開始とほぼ同時期に受診を推奨

また「以前に流産を経験した」「生理不順がある」「過去に卵巣や子宮の病気と言われた」などの場合は、年齢に関わらず早めの受診をおすすめします。

当院では、受診のタイミングについても初診時にご相談いただけます。「まだ早いかな?」と思っている段階でも歓迎しています。

Q. 年齢が上がると妊娠しにくくなるのはなぜですか?卵子の老化とは何ですか?

女性が生まれたとき、卵巣の中にはすでに一生分の卵子(の素)が存在しています。この数は年齢とともに減り続け、増えることはありません。そのため、20歳で発育・排卵してきた卵子は卵子も20歳です。40歳で発育・排卵した卵子は卵子も40歳になります。つまり卵子の「質」も加齢により変化し、特に卵子及び受精卵が染色体異常を持つ割合が増えていきます。これが「卵子の老化」と呼ばれる状態です。

卵子及び受精卵に染色体異常があると、そもそも妊娠しづらくなったり、妊娠したとしても流産が増えることにつながります。これが年齢とともに自然妊娠率が下がり、流産率が上がる主な理由です。

一方、男性の精子は毎日新しく作られるため、卵子ほど急激な変化はありませんが、40歳以降は精子の質にも変化が生じることがわかっています。

年齢の影響は避けられませんが、加齢で変化することを知ることが第一で、その上でどう対処していくかを考えていくのが重要となります。

Q. 不妊治療にはどのくらいの費用がかかりますか?保険は使えますか?

2022年4月から不妊治療に公的医療保険が適用されるようになり、以前と比べて費用の負担が大幅に軽減されました。

また自治体によっては、不妊治療費の助成制度が利用できる場合もあります。当院の具体的な費用については、下記ページをご覧ください。「治療費が不安で踏み出せない」という方もまずはお気軽にご相談ください。

初診時の検査 | さっぽろARTクリニックn24
治療の費用 | さっぽろARTクリニックn24

Q. 不妊治療はどんな流れで進みますか?ステップアップとはどういう意味ですか?

不妊治療は一般的に、身体への負担が少ない治療から順番に試していく「ステップアップ」という考え方で進めます。

ステップアップの基本的な流れ:

  1. 検査・診断 → 原因を調べる(ホルモン・子宮卵管造影・超音波・精液検査など)
  2. タイミング法 → 排卵のタイミングに合わせて自然妊娠を目指す
  3. 人工授精(AIH) → 動きの良い精子を選別して子宮内にカテーテルで直接注入する方法
  4. 体外受精(IVF) → 卵子を体外に取り出して受精・培養し、良好な受精卵のみを子宮に戻す方法

ただしステップアップは「必ずタイミング法から順に試す」ものではありません。年齢や検査結果によっては、最初から体外受精が最善の選択肢になる場合もあります。まずは検査を行い、年齢やAMHの値・検査結果をもとに、お二人にとって最も最適な治療法をご提案しています。

Q. 不妊の原因にはどんなものがありますか?女性・男性それぞれの割合を教えてください

不妊の原因は女性側だけにあるとは限りません。WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊カップルの原因として女性側のみが約41%、男性側のみが約24%、男女両方に原因があるケースが約24%、原因不明が約11%とされています。

つまり男性側に原因がある(または男女両方に原因がある)割合は半数近くに上ります。

女性に多い原因:
排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群など)、卵管の詰まりや癒着、子宮内膜症、子宮筋腫・子宮奇形、加齢による卵子の質低下など

男性に多い原因:
精子の数が少ない(乏精子症)、動きが弱い(精子無力症)、精子がいない(無精子症)など

当院では、初診時から男女両方の検査をご提案しています。「男性は問題ないと思う」という思い込みを持たず、二人で一緒に原因を調べることが治療の近道となります。

Q. 以前に流産を経験しています。不妊治療は受けられますか?

はい、受けられます。流産の経験がある方も、当院の診察・治療を受けることができます。

流産は決してまれなことではなく、臨床的に確認された妊娠の15〜20%程度に起こると言われています。ただし、繰り返す流産(2回以上)は「不育症」の可能性があり、別の原因検索と対策が必要です。

初診時に流産の回数・時期・経過を詳しくお聞きし、現在の状態に合わせた検査計画を立てます。「また流産してしまうのでは」という不安は当然のことです。できる限り原因を調べ、次の妊娠に向けての準備を一緒に進めましょう。

Q. パートナーが一緒に来院できなくても大丈夫ですか?

はい、基本的には一方だけで受診していただくことができます。

検査・診察の多くは女性側だけで行えます。ただし、精液検査など男性側の検査が必要な場合は、ご自宅で採精後に持参いただく方法もあります。また治療の方針を決める際には、後日お二人でご来院いただくか、ご説明の内容をパートナーに共有いただければ対応可能です。

「仕事の都合で来られない」「まだパートナーに話せていない」など、さまざまな事情があると思います。まずはお一人でご来院いただき、状況をお話しください。その上で、お二人の生活スタイルに合わせた通院計画を一緒に考えます。

Q. 札幌近郊に住んでいますが、通院の頻度はどのくらいですか?

治療の段階によって通院頻度は変わります。

治療別の通院頻度の目安:

  • タイミング法・人工授精:1周期あたり2〜4回程度(排卵日前後に集中)
  • 体外受精(採卵周期):卵胞発育の観察・採卵・術後確認で4〜7回程度
  • 凍結胚移植周期:4〜5回程度

卵の発育次第で予定が決まるため、なかなか先の予定が立てにくい治療です。できるだけ臨機応変に動けるようにしていただければと思いますが、最適なスケジュールを一緒に検討していきましょう。

Q. 不妊治療の保険適用はいつから始まりましたか?年齢制限や適用条件を教えてください

2022年4月1日より、体外受精・顕微授精を含む不妊治療への公的医療保険が適用開始となりました。それ以前は自費診療が基本だったため、この改正は大きな制度変更です。

主な適用条件:

  • 対象者:法律婚または事実婚のカップル
  • 年齢制限:女性が43歳未満(治療開始時点)
  • 回数制限:子ども1人につき採卵を伴う治療は通算6回まで(40歳未満は6回、40〜43歳未満は3回)
  • タイミング法・人工授精には年齢・回数の上限なし

なお保険適用の対象外となる「先進医療」(タイムラプス・ERA・ERPeakなど)は別途自費となりますが、一定の条件のもとで保険診療との組み合わせ(混合診療)が認められています。

制度の詳細は変更になる場合もありますので、受診時に最新の情報をご確認ください。

不妊治療の保険適用条件まとめ|年齢・回数・対象治療【2026年最新】| さっぽろARTクリニックn24

Q. 不妊治療中も仕事を続けられますか?両立のポイントを教えてください

多くの方が仕事を続けながら治療を受けています。ただし、採卵前の通院が集中する時期や、採卵当日・移植前後は急な休みが必要になることもあります。

両立のための実践的なポイント:

  1. 職場への部分的な開示:細かい内容を伝える必要はありませんが、「通院が必要な時期がある」と伝えておくと急な休みを取りやすくなります
  2. フレックス・有給の活用:午後しか通院できないと曜日が限られてしまいます。午後から仕事のパートの方が受診はしやすくなるかもしれません
  3. 採卵は平日が多い:卵胞の成熟に合わせて採卵日が決まるため、週末に必ず合わせることは基本的には難しいです
  4. ストレスを抱えすぎない:「治療と仕事の両立が当然」と無理に考えず、しんどいときは医師や看護師に相談してください

当院では、できるだけ通院回数を集約するなど、働きながら治療を続けやすい体制を意識しています。「仕事を辞めなければいけないのでは」と心配されている方も、まずご相談ください。

新しいクリニックブログ

クリニックのブログサイトがあります。院長、スタッフが毎月の妊娠数や出産報告、コラムなど色々と発信しているサイトです。一度見に来てくださいね。

プレコン相談室はこんな感じです

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