先進医療について、解説します。

先進医療とは?

 先進医療とは、今後保険医療の対象にするべきかどうかを検討している高度な医療技術に対して厚生労働大臣が定めた医療のことを指します。一定の有用性や安全性は認められているものの、治療効果に関する科学的証拠がまだ少ないため、公的医療保険の対象にするかを評価する段階にある検査・治療・手術と言えます。

 先進医療にかかる治療費は全額自己負担(自費診療)となりますが、将来的に健康保険の対象となる可能性があるため、保険診療と併用した【混合診療】として受けることができる治療であるというのが特徴です。

 つまり、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術と言えます。

先進医療Aと先進医療Bについて

先進医療 A

  • 未承認/適応外の医薬品/医療機器の使用を伴わない医療技術
  • 未承認、適応外の体外診断薬の使用を伴う医療技術等であって当該検査薬等の使用による人体への影響が極めて小さいもの

先進医療 B

  • 未承認/適応外の医薬品/医療機器の使用を伴う医療技術
  • 未承認/適応外の医薬品/医療機器の使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの

 先進医療には『先進医療A』と『先進医療B』の2種類があります。色々と細かな定義はありますが、シンプルに説明すると、より保険医療に移行する可能性が高い『先進医療A』と、Aよりも科学的証拠がまだ乏しい『先進医療B』と説明することができます。

不妊治療に関連した先進医療

 令和8年4月1日時点において厚生労働省によって認定されている先進医療は、全診療科合わせて27種類になります。内訳は先進医療Aが27種類、先進医療Bが42種類になります。このうち不妊治療に関連した先進医療は、先進医療Aが13種類、先進医療Bが1種類となります。先進医療Bに当たる『着床前胚異数性検査(PGT-A)』は先進医療Bに相当し、全国で4施設しか先進医療として認可されていません。現時点で、先進医療Bとして北海道内で認可されている施設はありません。

当院で行っている先進医療について

 不妊治療に関連する先進医療のうち、現時点で治療に有用であると判断した先進医療を当院で行っています。厚生労働省の認可したすべての先進医療を行っているわけではありません。また一部の先進医療については、行いたいと考えているものの行うことのできない先進医療もあります。記載順は厚生労働省記載順となっています。

 先進医療はやればやるほど良いというわけではありません。現時点ではまだ明確に効果があるという証拠(エビデンス)が不十分ではあるものの、先進的な治療のため保険適応にはならないものの、保険診療との混合診療が認められた治療となります。必要な方に必要な治療を提案させていただきますが、なんでもすべてやりますといったものではありません。

技術名技術の概要自己負担額(自費)当院実施
子宮内膜刺激術
(SEET法)
胚培養液(SEET液)を事前に凍結保存しておき、凍結融解胚移植周期に胚移植に先行して、移植2-3日前にSEET液を子宮に注入する技術33,000 円可能
タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養胚培養器内のカメラによって、培養中の胚を一定間隔で自動で撮影することで、胚を培養器から取り出すことなく詳細な胚の評価が可能となる技術。33,000 円可能
子宮内膜擦過術
(スクラッチ)
胚移植を行う予定の前周期高温期に子宮内膜を擦過(スクラッチ)、翌周期に胚移植を行う技術16,500 円可能
ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術
(PICSI)
成熟した精子を選別することを目的に、ヒアルロン酸を含有する培地を使用して精子を選別選択を行う技術24,200 円可能
子宮内膜受容能検査1
(ERA)
子宮内膜を検体として、次世代シークエンサーを用いてその遺伝子の発現を解析し、子宮内膜が着床に適した状態かを評価して、適切でない場合には受容する期間に周期を同期させ、胚移植を行うことで着床率の向上を目指す技術121,000 円可能
子宮内細菌叢検査1
(EMMA/ALICE)
子宮内における細菌の種類と量を測定し、その菌のバランスが正常か、異常かを調べる技術66,000 円可能

強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術
(IMSI)

強拡大の顕微鏡を用いて精子を観察することで、精子頭部内の以上構造などを観察し、より形態両良好な成熟精子の選択を行う技術。※※※不可
二段階胚移植術先行して初期分割期胚を移植し、2回目の胚移植として胚盤胞を移植する技術。

新鮮胚:75,000 円

凍結融解胚:120,000 円

可能
子宮内細菌叢検査2
(子宮内フローラ)
子宮内膜/子宮内腔液を検体として、次世代シークエンサーを用いて細菌の16S リボソーム RNA 解析を行うことで、Lactobacillus 属の占める割合、その他細菌叢の分布を明らかにする技術44,000 円可能
子宮内膜受容能検査2
(ERPeak)
高温期子宮内膜を検体として、その遺伝子の発現を解析し、子宮内膜が着床に適した状態かを評価します。適切でない場合には着床の窓のずれに合わせて移植時期を修正して胚移植を行うことで着床率の向上を目指す技術110,000 円可能
流死産検体を用いた遺伝子検査流産胎児/絨毛を検体として、次世代シーケンサーを用いて染色体の数的異常、不均衡型構造異常を検出する技術※※※不可
膜構造を用いた生理学的精子選択術
(ザイモート)
遠心分離機を使用せずに、特殊なフィルターと精子の運動性を用いて、頭部に奇形のない運動性の高い精子のみの回収し、DNA断片化や酸化ストレス少ない状態の良好な精子を得る技術27,500 円可能
抗ネオセルフβ2グリコプロテインⅠ複合体抗体検査 不育症の原因となる自己抗体を調べる血液検査です。抗体が陽性の場合は血栓ができやすくなり、胎盤への血流が障害されることで流産リスクが高まると報告されています。反復流産・反復着床不全の方に検討される技術です。33,000 円可能
技術名技術の概要自己負担額(自費)当院実施
着床前胚異数性検査( PGT-A )胚からいくつかの細胞を採取して染色体解析を行い、移植する前に胚の異数性を調べ染色体数が正常な胚を選択する技術。※※※不可

※ 着床前胚異数性検査(PGT-A)については”先進医療”として施行することはできませんが、自費診療で行うことはできますので詳細については担当医にご相談ください。

北海道における不妊治療等助成事業について

北海道では、不妊治療を受けている方の治療費や交通費等の経済的負担を軽減するため、不妊治療費等助成事業を実施しています。

対象は、医療保険適用の不妊治療と併用して実施した先進医療のみが対象です。

申請先は、お住まいの市町村になります。

※自治体により助成内容は異なります。

北海道不妊治療等助成事業のご案内

札幌市における不妊治療費助成事業について

札幌市では、不妊に悩むご夫婦の経済的負担の軽減を図るため、保険適用の生殖補助医療と併用可能な先進医療に要した費用の一部を助成します。

札幌市不妊治療等支援のご案内

先進医療に関連するリンク

  1.  北海道における不妊治療等助成事業についてのリンク。こちら
  2.  札幌市の不妊治療費助事業についてのリンク。こちら
  3.  厚生労働省の先進医療に関するリンク。こちら

 

 

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