L:治療中の生活・体のこと

Q. 薬を飲み忘れた・注射を打ち忘れた場合はどうすればよいですか?

飲み忘れ・打ち忘れに気づいたタイミングと薬の種類によって対応が変わります。一般的な目安をお伝えしますが、必ず当院にご連絡・ご確認ください。自己判断で「まとめて2回分飲む」などの対応は避けてください。

薬の種類対応
排卵誘発剤(内服・クロミフェンなど)気づいた時点でご連絡ください。タイミングによって服用するか判断します
HMG・FSH注射気づいたらできるだけ早くご連絡ください。多くの場合、その日のうちに打てれば問題ないことが多いです
プロゲステロン(黄体補充薬)気づいたらすぐに服用・投与し、次の連絡をしてください
HCG注射/点鼻薬(排卵トリガー)時間がずれると排卵タイミングにずれが生じます。最もずれたり、忘れたりが困る薬剤です。必ず至急ご連絡ください

診療時間外・夜間・休日の場合には翌朝一番でのご連絡をお願いします。

Q. 治療中に運動してもよいですか?時期別に教えてください

基本的に治療中も適度な運動は問題ありませんが、時期によって注意が必要です。

時期運動の目安
排卵誘発中(採卵前)軽いウォーキング・ヨガ程度。卵巣が大きくなっているため激しい運動・ジャンプは避ける
採卵直後〜3〜7日安静が基本。腹部への負担を避ける。体をねじるような動きは控える。軽い散歩程度でも翌日以降に
胚移植後〜判定前激しい運動は控え、日常生活程度の活動はOK
判定後(妊娠継続中)医師の指示に従う。早期に無理をしない

適度な運動(ウォーキング・軽いヨガなど)はストレス発散・血流改善・体重管理に有効で、治療中も取り入れることをおすすめします。

Q. アルコールや喫煙は不妊治療に影響しますか?

喫煙(タバコ):不妊治療中は禁煙を強くおすすめします。喫煙は卵子の質・卵巣予備能(AMH)・子宮内膜の血流に悪影響を与えることが研究で示されています。また、妊娠した後も喫煙を続けると流産・早産・低出生体重のリスクが上がります。パートナーの喫煙(受動喫煙)も影響があるため、お二人での禁煙が望ましいです。

アルコール:妊活〜治療中はできるだけ節酒(可能であれば禁酒)が望ましいです。大量飲酒は排卵・精子の質に悪影響を与えることが知られています。妊娠が成立した可能性がある時期(移植後〜判定前)はアルコールは控えてください。

「たまにビールを1杯程度なら大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、「絶対にNG」ではないものの、治療中はできるだけ避けることが安心です。

Q. 治療中に歯科や他の科を受診したい場合はどうすればよいですか?

不妊治療中でも歯科・内科・皮膚科などへの受診は可能です。ただし、以下の点に注意してください。

  • X線撮影(レントゲン):妊娠の可能性がある時期(移植後〜判定前)には使用する薬・処置について必ず担当医に告げてください。歯科用X線は放射線量が少ないですが、妊娠初期には避けることが多いです
  • 薬の処方:抗生物質・鎮痛薬など、他科で処方される薬が不妊治療に影響したり、妊娠中には使えないものがある場合があります。処方前に「不妊治療中です」と伝えてください
  • 麻酔(局所麻酔):歯科治療での局所麻酔は一般的に問題ありませんが、妊娠の可能性がある時期は念のため担当医に確認するとより安心です

「不妊治療中であること・妊娠の可能性があること」を受診先の医師・歯科医師に告げることで、適切な配慮を受けられます。

Q. 採卵・移植後はどのくらい安静にすればよいですか?「お姫様生活」は必要ですか?

採卵後:採卵当日は安静が必要です(帰宅後は自宅で休息)。翌日からは軽い日常生活は問題ありませんが、激しい運動・腹部への負担は数日避けてください。腹痛・出血・発熱が続く場合はご連絡ください。

移植後(いわゆる「お姫様生活」について):以前は「移植後は完全安静」が推奨されていましたが、現在のエビデンスでは移植後の完全安静が妊娠率を上げるという科学的根拠は乏しいとされています。

当院の方針:

  • 移植当日〜翌日:自宅でゆったり過ごす程度でOK
  • 移植後2〜3日:激しい運動・温泉・過度の入浴は控える
  • 移植後1週間:日常生活(仕事・軽い家事・ゆっくりとした外出)は問題なし

「寝たきりで過ごす必要はない」ものの、「ストレスをかけすぎない」ことは大切です。

Q. サプリメントや漢方を飲んでいても問題ありませんか?

多くのサプリメントは治療と並行して飲んでいただけますが、すべてが安全とは言えないため、必ず医師にお伝えください。

治療中によく使われるサプリメント(概ね問題ないもの):

  • 葉酸、ビタミンD、ビタミンC、ビタミンE
  • CoQ10(コエンザイムQ10)
  • 亜鉛、鉄
  • オメガ3脂肪酸(DHAなど)

注意が必要なもの:

  • 大量のビタミンA(過剰摂取は胎児に影響)
  • 高用量の漢方薬(一部のものは排卵・子宮・ホルモンに影響する場合がある)
  • 市販のホルモン系成分を含む健康食品
  • 大豆イソフラボンの高用量サプリ(ホルモンへの影響が指摘されている)
Q. 治療中のストレスやつらさとどう向き合えばよいですか?

不妊治療中のストレス・つらさは、多くの方が感じることです。「陰性判定のたびに落ち込む」「友人の妊娠報告がつらい」「治療と仕事の両立が限界」「パートナーとのすれ違い」—これらはすべて自然な感情です。

日常でできること:

  • 「治療以外の自分の時間」を意識的に作る:趣味・友人との時間・好きな食事など
  • 情報の摂りすぎに注意:ネットで調べすぎると不安が増すことがある
  • パートナーと感情を共有する:治療の”温度差”は関係性に影響するため、定期的に話し合う
  • 完璧を求めない:「やれることは全部やらなければ」というプレッシャーが逆効果になることも

当院では、治療上の疑問だけでなく、精神的なつらさについてもご相談いただけます。必要に応じて看護師と相談や専門家のご紹介も可能です。「つらい」と感じることは弱さではありません。医師・看護師に気持ちを伝えてください。

Q. 不妊治療中の食事で気をつけることはありますか?

特別な「不妊治療専用食」はありませんが、妊娠しやすい体を作るための食生活のポイントがあります。

意識的に摂りたい栄養素:

  • 葉酸:神経管閉鎖障害の予防。ほうれん草・ブロッコリー・サプリで補う
  • :貧血は子宮内膜の血流に影響。赤身肉・貝類・小松菜
  • ビタミンD:妊娠率・着床に関与。魚・きのこ類、日光浴
  • 亜鉛:精子の質・ホルモン産生に重要。牡蠣・ナッツ・肉類
  • タンパク質:ホルモンの材料。毎食意識的に摂る

控えた方がよいもの:

  • 過剰なカフェイン(コーヒー1〜2杯/日程度が目安)
  • 高糖質・超加工食品(血糖・インスリンの乱れはホルモン環境に影響)
  • 水銀を含む魚の多量摂取(マグロ・メカジキなど)

「何かを完全にやめなければ」と縛りすぎると治療そのものがストレスになります。バランスよく、無理のない範囲で取り組みましょう。

Q. 採卵後にお腹が張る・痛いのは正常ですか?受診が必要な症状を教えてください

採卵後に軽い腹部の張り感・鈍痛は多くの方が経験します。これは採卵によって複数の卵胞を刺激した後、卵巣が腫れている状態から来るものであり、通常数日で落ち着きます。

様子を見てよい症状:

  • 軽い下腹部の張り・鈍痛(生理痛程度)
  • 軽い膨満感
  • 少量の出血(採血処置後の出血)
  • 軽い疲労感

すぐに当院に連絡すべき症状:

  • 急激に腹部が膨らんでくる・強い腹痛(OHSSの可能性)
  • 吐き気・嘔吐が止まらない
  • 尿の量が急に減った
  • 発熱(38℃以上)
  • 息苦しさ・胸の痛み
  • 1日で体重が1〜2kg以上増えた

「なんとなくいつもより具合が悪い」と感じたら、自己判断せずにご連絡ください。

Q. 治療中に夫婦生活をしてもよいですか?時期によって制限はありますか?

タイミング法・人工授精の場合:排卵前後のタイミングに合わせて夫婦生活を行うことが治療の一部です。精液検査の前2〜5日は禁欲をお守りください。

採卵〜採卵後数日間:採卵当日と翌日程度は控えてください(出血・感染リスクの軽減、卵巣への負担軽減のため)。

胚移植後〜妊娠判定前:当院では移植後〜判定前の夫婦生活を禁止しているわけではありませんが、念のために控える方が多いです。

妊娠判定後(陽性後):妊娠初期は流産リスクに配慮して、安定期(12週以降)まで控えるよう指導するクリニックが多いです。

不明な点はその都度、医師または看護師にご確認ください。

Q. 採卵当日は仕事を休まないといけませんか?

採卵当日は休みを取ることをおすすめします。

採卵は静脈麻酔を使用して行うため、処置後はしばらく院内で休んでいただきます。帰宅後も安静が必要で、当日の車の運転はできません。腹部の張り感や軽い痛みが残る場合もあります。

翌日からは軽い日常生活は問題ありませんが、採卵当日は仕事をお休みいただく方がほとんどです。

Q. 胚移植当日は仕事を休まないといけませんか?

必ずしも休む必要はありませんが、できれば午後から仕事にする、または半日休みを取ることをおすすめします。

胚移植自体は麻酔を使わず短時間(15〜30分程度)で終わりますので、採卵に比べて体への負担は少ないです。処置後はご希望に合わせて5〜15分程度院内のベッドで休んでいただくことができますので、その後は無理のない範囲で仕事に戻っていただけます。

当日の激しい運動や長時間の立ち仕事は控えることをおすすめします。

新しいクリニックブログ

クリニックのブログサイトがあります。院長、スタッフが毎月の妊娠数や出産報告、コラムなど色々と発信しているサイトです。一度見に来てくださいね。

プレコン相談室はこんな感じです

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