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検査室だより

―調節卵巣刺激法の基本―

検査室

皆さんこんにちは!

今回は採卵に向けた誘発(調節卵巣刺激法)について、実際の方法を説明する前に用語や誘発剤の働き、来院時の流れ等、基本的なお話をします。

排卵周期の基本については以前お話しているので、ぜひこちらの記事を併せて読んでいただくとより分かりやすいかと思います。

内因性ホルモンと外因性ホルモン

体内で分泌されているホルモンを内因性ホルモン、誘発剤の投与によって外から入れているホルモンを外因性ホルモンといいます。

採卵のための誘発剤の主な働き
  • 卵胞発育
    • 卵胞の発育を促す役割です。通常の排卵周期では複数個の卵胞が途中まで発育しますが、最終的には1個の卵胞だけが排卵できるまで大きくなり、ほかの卵胞は自然に消失します。卵巣予備能と誘発方法によっては誘発剤の刺激で複数個の卵胞を育てます。
  • 排卵抑制
    • 排卵を抑える役割です。採卵では排卵直前の成熟した卵を卵胞から採取する必要があるので、卵胞発育により分泌される内因性ホルモンによって引き起こされるLHサージを抑制する(排卵のスイッチが勝手に入らないようにする)必要があります。
  • 排卵誘発
    • 排卵を引き起こす役割です。内因性ホルモンによる排卵を抑制したら、採卵に合わせた時間に排卵直前の卵胞が育つように、LHサージを引き起こす(排卵のスイッチを入れる)ホルモンを外から入れる必要があります。
誘発剤の種類

卵胞発育と排卵抑制にはクロミッドやレトロゾールなどの飲み薬、GnRHアゴニスト製剤のような点鼻薬、FSH製剤やhMG製剤などの注射があります。

それぞれ作用する為の経路が違うため、投与方法によって吸収率は違いますし個人差もあります。なので同じ効果を持つ誘発剤でも補うように組み合わせて使用することもあります。

排卵誘発を担う薬剤にはhCG製剤(注射)とGnRHアゴニスト製剤(点鼻薬)があります。hCG製剤はOHSS(卵巣過剰刺激症候群)※※のリスクを高めるため、特に多くの卵胞発育が期待できる場合はGnRHアゴニスト製剤を選択します。

※同じ薬剤でも使用するタイミングによって役割が変わることがあります。

※※OHSSについてはこちらの記事をご参照ください。

採卵前後の来院時にしていること
  • 誘発開始前
    • 卵巣の状態(腫れていないか等)をエコーで確認し、看護師が自己注射指導を行います。そのため誘発中は誘発剤投与のためだけに来院する必要はありません。
  • 誘発中
    • エコーで卵胞径と、採血で血中FSH値・LH値・E2値を測定し、外因性ホルモン(誘発剤)によって内因性のホルモン分泌をコントロールしつつ卵胞が育っているかを確認しています。卵胞が十分に育ったことを確認したら採卵日を決定、排卵誘発剤を投与する日時を指示します。
  • 採卵後
    • 採卵後5-7日目にOHSS症状がないかの確認を行っています。この時に培養が終了していれば培養結果報告書をお渡しして次の予定を立てます。
検査室

今回はここまで!

次回は6月の検査室だよりにて実際に行っている誘発方法についてお話しする予定です。