『with up! 』 こどもが欲しい”という御夫婦の思いにお応えするために、原因を徹底的に調べ、ひとりひとりに合わせた最適な治療を提供いたします。

検査室だより

―排卵周期の基本―

検査室

皆さんこんにちは!

当院の採卵は患者様の卵巣予備能に合わせた誘発方法で、なるべく多くの卵を育てて採取することを基本としています。

今回は採卵に向けた誘発についてお話しする前に、まずは排卵周期の基本を説明していきたいと思います。

  • 卵巣予備能・・・卵巣がどのくらいの妊孕性を保っているのか(ホルモンに対する反応性や卵子の残量)
ホルモンの働き

ホルモンとは体の様々な働きを調節する化学物質のことです。標的となる臓器の細胞に存在する受容体に結合して情報を伝達しています。標的となった細胞から分泌されたホルモンがさらにフィードバックされ、ホルモン分泌の抑制や促進を調節することで体の状態を保っています。

排卵周期では以下のような流れで卵の発育から排卵までをホルモンによって調節しています。

排卵周期のホルモンの働き
STEP

視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の指令によって下垂体から①卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。

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FSHは卵巣を刺激し、それによって発育した卵胞から②卵胞ホルモン(エストラジオール:E2)が分泌され、子宮内膜が厚くなります。また、卵胞が成熟してE2の分泌がピークに達すると、下垂体にフィードバックされます(下図の点線矢印)。

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このフィードバックにより下垂体から③黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌されます(LHサージ)。LHは排卵を促すと同時に卵胞の黄体化を指令します。

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黄体から分泌される④黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)は子宮内膜に作用して内膜を着床に適した状態にします

  • ゴナドトロピン:下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(FSH,LH)
  • 卵胞:卵巣にある、卵が入った袋のようなもの
  • 黄体:排卵後の卵胞が変化してできる、着床や妊娠の維持に関係するホルモンを分泌するもの

採卵周期ではこれらの性質を利用して、卵胞の大きさと血中ホルモン値を確認しながら卵の発育と排卵のタイミングを誘発剤によってコントロールしていきます。

検査室

今回はここまで!読んでいただきありがとうございました。

次回は3月の検査室だよりにて誘発の基本的なお話をしたいと思います。