Q: 新型コロナワクチンは 本当に効果があるの?

830×510 コロナウイルス関係

新型コロナワクチンは本当に効果があるの? 

 僕たち医師がコロナワクチンに限らず“〇〇〇はこの病気に効果がありますか?”と聞かれた場合に、“効果があります”というためには、科学的に証明されたデータ(前方視的な大規模試験)がないことには“効果がある”と言えません。これはつまり〇〇〇を使った患者さんが数千人(数万人)と〇〇〇を使わなかった患者さん数千人(数万人)の比較データが必要になります。これがあって初めて“効果がある”とか“効果がない”と言うことができます。

 

ワクチンの効果に関するエビデンス(根拠)

NEngl J Med 2020; 383:2603-2615  

 今回説明するのは、今現在接種することになるファイザー社製のワクチンに関するランダム化比較試験の結果が示された論文となります。ワクチンを接種するかどうかの判断材料となるひとつの論文です。

この論文はニューイングランドジャーナルオブメディスンという世界的にも権威のある医学誌に掲載されたファイザー社製ワクチンに関する安全性と効果について書かれた医学論文になります。ランダムに振り分けられた18860人にファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンを接種し、18846人にプラセボ(偽薬:ワクチンの入っていない生理食塩水のみ)を投与しました。それぞれの群において21日間空けて2回目の接種を行っています。そのうえで新型コロナウイルスの発症率を見ています。

グラフを見てみると初回接種の12日目以降から新型コロナウイルス発症者の減少効果が表れてきていました。

最終的に初回のワクチン接種から112日目にはワクチン接種群はプラセボ群と比較して新型コロナウイルスの発症者を約95%減少させているのが、グラフを見るとわかります。

 この数字は現在使用している他のウイルス疾患のワクチンと比べても、かなり高い効果のあるワクチンであることを示しています。

ワクチンを接種するかを判断する際に考えて欲しいこと 

 僕が接種するかしないかの判断をする際に考えてほしいことは、接種することによるデメリット(副作用や有害事象)だけではなく、接種しないことによるデメリット(新型コロナウイルスに感染したり、重症化するリスク、感染後の後遺症など)の両方を自分の中で天秤にかけて考えて欲しいなと思っています。さらに言うなら、接種することによって得られるメリット(感染のリスクを減らせること)と、接種しないことによって得られるメリット(ワクチンによる副作用や有害事象が発生しない)を天秤にかけて考えて欲しいと思っています。

まとめ

 今回はワクチンの効果についての根拠となる論文を解説しました。ワクチン接種によって得られるメリットです。今後も、副反応の話など、ワクチンに関する話を書いていきます。ワクチン接種の判断の一材料になればと思っています。  

 ワクチンの情報は、世界中から日々新しい情報が発信されています。その時点で得られる情報をしっかり入手しながら、しかし一部のクローズアップされた事象だけで判断せず、メリット・デメリットを総合的に鑑みてワクチン接種をするかどうかを判断してほしいと思っています。

 

 

 

 

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