状態の良い精子を選別する方法

830×510 新技術 精子

今日は新しい精子選別方法(デバイス)について書いていきます。

状態の良い精子とは?

受精卵は卵から1/2の情報、精子から1/2の情報を受け、1人分の情報となり赤ちゃんになります。これまでの精子の評価は、形態がよいもの(奇形でない)、高速に運動をしているものが良い精子とされてきました。しかし、本当は精子頭部に入っている遺伝情報が壊れることなくしっかり入っていないといけません。

現在の精子選別方法

現在の日本において多くの施設で行っているのは密度勾配遠心法です。この方法においては、その選別工程の中に遠心分離を行う工程があります。それにより活性酸素種(ROS)が発生しすぎてしまうと精子頭部に入っている遺伝情報(DNA)の断片化がおこることがあります。

新しい精子選別デバイス(機器) ~ ZyMot

ZyMot スパームセパレーターは、精子に影響を与える可能性のある遠心分離操作を行わないため、DNA損傷の少ない精子を回収でき、その結果ARTの成績を向上させてくれるかもしれないデバイス(機器)になります。

ZyMotによる精子回収の実際

ZyMotによる精子回収ステップ
ZyMotの精子回収図
精子注入口から精子を注入し、37℃のインキュベーター(保温庫)に静置することでZyMot本体の中を泳いできた最も前進運動性が高い精子を回収することができます。途中の工程として、遠心分離や撹拌を行わないため精子DNAの損傷を回避することが出来ます。

ZyMotの効果を示す論文データ

反復不成功の患者群において精子処理をZyMotと密度勾配遠心分離法の2群に分けて精子DNA断片化率、着床率、臨床妊娠率、継続妊娠率のデータを示した論文の図表です。米国コーネル大学の研究チームにより2019年10月に発表されたものです。

ZyMot論文図表

ZyMotを使用することにより、精子DNAの断片化(損傷)率は低下し、着床率、臨床妊娠率、継続妊娠率は密度勾配遠心分離法と比べて高い結果が得られています。

どんな人に ZyMot を使うと有効か?

・受精、胚発生に問題がないのに、複数回の移植で妊娠に至らない方

・受精や胚発生が悪く良好胚を得ることが出来ない方

上記のような方にZyMotを使用することで結果が改善できる可能性があります。

資料参考:TOKIBO CO.,LTD.

新しいクリニックブログ

クリニックのブログサイトがあります。院長、スタッフが毎月の妊娠数や出産報告、コラムなど色々と発信しているサイトです。一度見に来てくださいね。

プレコン相談室はこんな感じです

CLINIC ARTICLE

  1. 830×510 成績
  2. 830×510 成績
  3. 830×510 成績
PAGE TOP