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検査室だより

精子の構造と機能

皆さん、こんにちは!さっぽろARTクリニックn24検査室スタッフです。

今回は「精子の構造と機能」についてお話します。

精子は大きさ約60μmの細胞で、頭部・中片部・尾部とよばれる3つの部位に分かれています。

頭部には遺伝情報だけでなく、先端部分に多くの酵素(ヒアルロニダーゼなど)も含んでいます。これらの酵素は卵子の周りにある殻を溶かして卵子本体に入り込むときに必要となります。中片部にある“ミトコンドリア”という細胞はエネルギー産生を担っており、尾部はそのエネルギーを使って動くことができるようになっています。

精子は、卵子まで自力で進んでいかなければなりません。人間と同じく精子にも体力の差があって、エネルギー不足によって途中で泳げなくなってしまう精子や卵子まで辿りつけても殻を通り抜けることができない精子もいます。受精できるのはエネルギーが十分にあり、酵素が正常に働く精子だけです。

精子の運動に必要なエネルギーを作り出すミトコンドリアという細胞は“酸化ストレス”の高い環境(体内に活性酸素が多い状態)では十分なエネルギーを作り出すことが難しいとされています。

喫煙や糖分の摂りすぎなどの習慣は酸化ストレスの高い環境を作り出すことが知られていますので、無理のない範囲で少しずつ生活習慣を見直してみませんか?

それでは、読んでいただきありがとうございました!

参考書籍:柴原 浩章、はじめての精子学、第1版、中外医学社