高プロラクチン血症
こんにちは。さっぽろARTクリニックn24検査室です。
今回は、高プロラクチン血症についてです。
高プロラクチン血症とは、妊娠から分娩後以外の時期に脳の下垂体前葉からのプロラクチンの分泌が過剰になった状態のことをいいます。プロラクチン分泌を抑制しているドパミンという物質が何らかの原因で抑制されると下垂体前葉からのプロラクチン分泌が亢進し、高プロラクチン血症になるといわれています。
主な症状は乳汁分泌や無月経、ときに頭痛や視野障害などが起こります。プロラクチンの値が高いと排卵障害を引き起こすため、不妊原因の一つと考えられています。20~30歳代の女性に多いといわれています。男性では性欲低下、乳汁漏出がみられることもあります。
通常、妊娠していないときのプロラクチンの値は低く、作用は働きません。妊娠するとプロラクチンの値が増加し、乳腺の発達を促進します。分娩後、乳汁分泌が開始し、授乳の刺激によりプロラクチンの値はさらに増加し、その影響で無月経になります。分娩後3~4か月でプロラクチンの値は妊娠前の状態に戻るといわれています。
プロラクチンの値は薬の服用、食べたものや睡眠などの生理的な影響を受けやすく、月経周期での変動もあります。採血時はできるだけ影響の少ない起床から数時間後、食事前のタイミングを選ぶとよいでしょう。

*プロラクチン*
乳たんぱくを合成する、乳汁の分泌を促進するホルモンです。妊娠していないときは低く、妊娠すると増加します。脳の下垂体前葉から分泌されます。