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検査室だより

ーアシステッドハッチングー

検査室

皆さんこんにちは!

今回は保険適用にもなっている孵化促進法(アシステッドハッチング)についてのお話です。

なんのために、どのようなことが行われているのかを説明していきます。

胚はたんぱく質で構成された透明帯に保護されており、着床する為にはこの透明帯から孵化(ハッチング)する必要があります。

しかし体外受精や顕微授精、あるいは凍結によって透明帯は硬くなり、ハッチングを阻害してしまうという報告もあります。

このように変化した透明帯の一部を切開したり孔を開けるなどの処置をすることで、ハッチングを促す技術が孵化促進法Assisted Hatching:AHです。

AHは細いガラス管を操作して物理的に透明帯を切開する方法が初めに考案され、次いで薬液で透明帯を溶かす方法が考案されました。しかしこれらは技術的な難しさや、薬液の胚への影響が危惧されるというデメリットがあります。

そこで新たに考案され、現在主流となっているのがレーザーを用いた方法です。

レーザー孵化促進法(L-AH)

顕微鏡のステージ下方からディッシュに入った胚にレーザーを当てて透明帯を処理します。

これには安全性の高い波長のレーザーが用いられており、レーザー熱の影響を軽減するように照射時間を制限したり警告を表示する機能が備わっています。

この方法によって従来と比べてより安全で簡単に、均一な透明帯の処理ができるようになりました。

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それでは実際にL-AHの様子を見ていきましょう。

L-AHの様子

下の画像はレーザー照射時のガイド画面です。

緑色の部分はレーザー熱などの影響が危惧される領域で、実際にレーザーが当たる領域はその内側になります。

緑色の部分が胚に当たらないように調節し、画面上の「照射の開始」ボタンを押したらレーザーが照射されます。

↓照射の様子(動画)

↓照射後の卵(※撮影のため胚ではなく未受精の廃棄卵を使用しています。)

収縮した胚盤胞では透明帯に孔を開けるように、割球同士がまだ接着していない分割胚や収縮していない胚盤胞(拡張胚盤胞)の場合は透明帯を薄くするようにレーザーを照射します。

融解直後は収縮している胚盤胞も移植まで培養している間に回復し、孔を開けた部分からハッチングする場合もあります。