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AMHが低いとはどういう状態?原因・対処法・不妊治療の選択肢| さっぽろARTクリニックn24

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院長

「AMHが低い」と言われた方からのご相談は、当院でも非常に多く寄せられます。AMHは卵子の残り数を示す指標ではありますが、卵子の質を示すものではありません。AMHが低くても妊娠・出産に至るケースは多くあります。数値だけで諦めず、まずは現状を正確に把握することが大切です。

AMHが低いとは、卵巣内に残っている卵子の数が少ない状態を指します。AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵子の「質」ではなく「数」を反映するホルモンです。AMHが低くても、残っている卵子の質が良ければ妊娠できる可能性は十分にあります。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは

AMH(Anti-Müllerian Hormone:抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣内の胞状卵胞から分泌されるホルモンです。血液検査で測定でき、卵巣にどれだけ卵子が残っているかを示す「卵巣予備能(らんそうよびのう)」の指標として使われています。

不妊治療においては、体外受精などの治療計画を立てる際の重要な参考値となります。基本的には月経周期に関わらずいつでも検査できるのが特徴です。

AMHは「卵子の数」であり「卵子の質」ではない

AMHについて最も重要な点は、AMHは卵子の「残り数」を示す指標であり、卵子の「質」を示す指標ではないということです。

「AMHが低い=妊娠しにくい」と思われがちですが、これは正確ではありません。AMHが低くても卵子の質が良ければ、自然妊娠や不妊治療で妊娠できる可能性は十分にあります。一方、AMHが高くても卵子の質が悪ければ妊娠しにくいこともあります。AMHの数値だけで妊娠の可能性を判断することはできません。

項目AMHで分かること
卵子の残り数(卵巣予備能)✅ 分かる
卵子の質❌ 分からない
妊娠できるかどうか❌ 直接は分からない
治療が必要かどうか△ 参考にはなる

AMH値の見方と年齢別の目安

AMH値はng/mLで表示されます。以下は、JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の多施設共同研究による15,545症例の年齢別平均値です。

年齢AMH平均値(ng/mL)
27歳以下4.69
28〜29歳4.19
30〜31歳3.92
32〜33歳3.42
34〜35歳2.87
36〜37歳2.38
38〜39歳1.85
40〜41歳1.39
42〜43歳0.88
44〜45歳0.58
46歳以上0.30

※多嚢胞性卵巣・早発閉経の症例は除外。上記はあくまで平均値であり、個人差があります。詳細は担当医師にご確認ください。

年齢別のAMH平均値
年齢別AMH平均値(ng/mL)|単位:ng/mL

※このデータは、当院副院長の山本貴寛医師が前医在籍時にJISART多施設共同研究として取りまとめ、日本生殖医学会(2016年11月)で発表したものです。

AMHが低い人の特徴・なりやすい原因

AMHが低くなる主な原因は以下のとおりです。

加齢

AMHは年齢とともに自然に低下するため、加齢はAMH低値の最大の要因です。

早発卵巣不全(POI)

40歳未満で卵巣機能が低下する状態です。遺伝的要因や自己免疫疾患が関係することがあります。

子宮内膜症

卵巣に子宮内膜症(チョコレート嚢胞)がある場合、卵巣の機能が低下しAMHが下がることがあります。

卵巣手術の既往

卵巣嚢腫などの手術を受けた経験がある場合、卵巣組織が減少しAMHが低下することがあります。

喫煙

喫煙はAMH値を低下させる可能性が報告されています。

AMHが低いと妊娠できないのか?

AMHが低くても、妊娠できる可能性は十分にあります。

AMHはあくまで「卵子の残り数」の指標であり、「妊娠できるかどうか」を直接示すものではありません。たとえ卵子の数が少なくても、質の良い卵子が残っていれば自然妊娠は可能です。不妊治療においても、1個でも良質な卵子が採れれば妊娠・出産に至る例は多くあります。

ただし、AMHが低い場合は採卵できる卵子の数が限られるため、体外受精を行う際の採卵数が少なくなる可能性があります。年齢や他の検査結果も踏まえて、早めに専門医に相談することが大切です。

「AMHが低いから体外受精しかない」は本当か

「AMHが低いと体外受精しかない」と思っている方も多いですが、これは必ずしも正しくありません。

AMHが低い場合でも、自然妊娠を目指すことは可能です。タイミング法や人工授精を試みてから体外受精に進むというステップを取ることもあります。治療方針はAMH値だけで決まるものではなく、年齢・卵管の状態・精子の状態・不妊期間など、複数の要素を総合的に判断して決定します。

「AMHが低いから」と諦める前に、まず専門医に相談して現状を正確に把握することが重要です。

AMH低値のときの治療の選択肢

AMHが低い場合の治療の選択肢は以下のとおりです。

①タイミング法・人工授精

年齢が若く(概ね35歳未満)、AMHが極端に低くない場合は、まずタイミング法や人工授精から始めることもあります。

②体外受精(IVF)

AMHが低い場合、1回の採卵で得られる卵子数が少ないため、複数回の採卵を行うことがあります。低刺激法(体への負担を抑えた排卵誘発)を用いることで、卵巣への負担を抑えながら採卵できます。

③卵子凍結

AMHが低いと診断されたが、まだ妊娠を望む時期でない場合、卵子凍結で将来に備えるという選択肢もあります。

卵子凍結については「卵子凍結とは?費用・年齢・流れをわかりやすく解説」もご参照ください。

AMHは改善できるか?

現時点では、AMH値を確実に改善・上昇させる医学的に確立された方法はありません。

AMHは卵巣内に残っている卵子の数を反映するため、一度低下したAMHが劇的に回復することはないとされています。ただし、以下のような生活習慣の改善が卵巣環境の維持に役立つ可能性があるとされています(科学的なエビデンスはまだ限られています)。

  • 禁煙
  • 適度な運動と体重管理
  • 葉酸・ビタミンDなどのサプリメント摂取
  • 過度なストレスを避ける

「AMHを改善する」ことよりも、「今ある卵子を最大限に活かす治療を早めに始める」ことが重要です。

さっぽろARTクリニックn24でAMH検査を受けるには

さっぽろARTクリニックn24では、初診時にAMH検査を含む基本的な不妊検査を受けることができます。

AMH検査は血液検査で行われ、月経周期を問わずいつでも検査可能です。検査結果をもとに、担当医師が現在の卵巣予備能を正確に評価し、最適な治療方針をご提案します。

「AMHが低いと言われた」「不妊治療を検討している」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. AMHが低いと不妊治療は急いだほうがいいですか?

A. AMHは年齢とともに低下するため、低いと診断された場合は早めに専門医に相談することをおすすめします。ただし、必ずしもすぐに体外受精が必要というわけではなく、年齢や他の検査結果を踏まえて治療方針を決定します。

Q. AMH検査はいつでも受けられますか?

A. はい、AMH検査は月経周期に関わらずいつでも受けられます。血液検査で行います。

Q. AMHが低いと採卵できないのですか?

A. AMHが低くても採卵できる場合があります。採卵できる卵子の数が少なくなる可能性はありますが、1個でも良質な卵子が採れれば体外受精・胚移植に進むことができます。

Q. AMHの正常値はいくつですか?

A. AMHの目安値は年齢によって異なります。一般的に1.0ng/mL未満は低AMHとされることが多いですが、クリニックによって基準が異なるため、担当医師に確認してください。

参考情報

監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本 尚

最終更新: 2026年4月