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卵子凍結とは?仕組み・目的・メリット・デメリットを医師が解説【さっぽろARTクリニックn24】

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卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、今の年齢の卵子を採取・凍結保存しておく医療技術です。卵子は年齢とともに質・量ともに低下していくため、「今すぐ妊娠は考えていないが、将来の選択肢を残しておきたい」と考える女性にとって有力な選択肢の一つです。ただし、卵子凍結はすべての方に妊娠を保証するものではなく、費用・リスク・成功率についても正確に理解したうえで判断することが大切です。さっぽろARTクリニックn24では、正確な情報をお伝えしたうえで、ご自身の状況に合わせた意思決定をサポートしています。

卵子凍結とは

卵子凍結とは、卵巣から卵子を採取し、超低温(-196℃)の液体窒素タンク内で凍結・保存する医療技術です。将来、妊娠を希望するタイミングで凍結した卵子を融解し、パートナーの精子と顕微授精(ICSI)を行うことで妊娠を目指します。

さっぽろARTクリニックn24では、「ノンメディカルな卵子凍結」を扱っています。これは、現時点では結婚や妊娠の予定がない健康な未婚の女性が、将来の妊娠に備えて年齢の若いうちに質の良い卵子を採取・凍結保存することを指します。

なぜ今、卵子凍結が注目されているのか

卵子は、年齢とともに数・質ともに低下していきます。これは女性に生まれながらに備わった生理的な変化であり、医療では完全に止めることはできません。

一方、晩婚化・ライフプランの多様化により、「30代以降に妊娠を考えたい」と希望する女性が増えています。卵子凍結は、加齢による卵子の質低下を回避し、若いうちの卵子を将来のために保存できる唯一の方法として注目を集めています。

卵子凍結を可能にする日本発の凍結技術(Vitrification法)

現在の卵子凍結には、Vitrification法(ガラス化凍結法)が用いられています。卵子を急速に凍結することで、細胞内に氷の結晶が形成されるのを防ぎ、融解後の卵子の生存率を高める方法です。

以前の緩慢凍結法と比較して、融解後の生存率が大きく改善しており、現在では多くの不妊治療を行う生殖医療施設でVitrification法が標準的に採用されています。

治療の大まかな流れ

  1. 基本検査(AMH・ホルモン検査・超音波など)
  2. 排卵誘発(注射・内服薬で複数の卵子を育てる)
  3. 採卵(麻酔下で卵巣から卵子を採取)
  4. 凍結保存(Vitrification法で凍結・液体窒素タンクで保管)
  5. 将来使用時:融解 → 顕微授精(ICSI) → 胚移植 → 妊娠を目指す

対象となる方・年齢条件

さっぽろARTクリニックn24では学会の勧告に準じて卵子凍結を行っています。しかし、全国的には施設によって年齢条件は異なります。当院における卵子凍結の年齢条件は以下の通りです。すべての年齢条件は日本産科婦人科学会/日本生殖医学会の勧告に準じたものとしています。

条件内容
採卵時の年齢上限満40歳の誕生日まで
保存期間の上限満45歳の誕生日まで(超過した場合は廃棄)
学会が推奨する採卵時の年齢36歳未満が望ましい(日本産科婦人科学会)

年齢が若いほど採卵できる卵子の数・質ともに有利です。AMH値(卵巣予備能の指標)が低下し始める前に検討されることをお勧めします。

卵子凍結のメリット

加齢による卵子の質低下を回避できる

卵子凍結の最も主要なメリットは、凍結時点の年齢の卵子を保存できることです。30歳で凍結した卵子は、38歳で使用する際にも「30歳時点の卵子」の確率を維持して使用できます。卵子の質は年齢とともに不可逆的に低下するため、これが卵子凍結の最大の医学的意義と言えます。

卵子凍結のデメリット・注意点

卵子凍結にはメリットだけでなく、正確に理解しておくべき注意点があります。さっぽろARTクリニックn24では、これらについてもしっかり理解してもらったうえで、実際に卵子凍結を実施するかの判断していただいています。

1. 凍結・融解による卵子へのダメージ

凍結・融解の過程で、一部の卵子が損傷したり、生存できなくなる場合があります。これにより融解後にすべての卵子が正常に使用できるとは限りません。

2. 必要な卵子の個数が確保できないことがある

将来の妊娠を目指すためには、一般的に10個以上の卵子保存が望ましいとされています。しかし、卵巣予備能(AMH値)や年齢によっては、1回の採卵で十分な個数が採れないこともあります。複数回の採卵が必要になるケースもあります。

3. 費用が高額になる

卵子凍結はすべて自費診療です。採卵前の検査・排卵誘発の薬剤・採卵手術・凍結保存・毎年の保存更新と、複数の費用が発生します。詳細は卵子凍結の費用・流れ・何歳まで受けられる?をご参照ください。

4. 妊娠を保証するものではない

卵子凍結は「妊娠の保険」ではありません。凍結卵子を使用しても、受精・着床・出産に至るかどうかは年齢・卵子の質・子宮の状態など複数の要因に左右されます。

5. 過度な安心感による高齢出産リスク

「凍結卵子があるから大丈夫」という安心感が、かえって妊娠のタイミングを遅らせ、高齢出産のリスクを高める可能性があります。凍結卵子はあくまで選択肢の一つであることを理解したうえで活用することが大切です。

卵子凍結に対する学会のスタンス

日本産科婦人科学会は、ノンメディカルな卵子凍結について「推奨も否定もしない」スタンスを取っています。正確な情報を提供し、当事者が自ら判断することを重視する立場です。

さっぽろARTクリニックn24も、この学会の方針に準じています。卵子凍結を積極的に推奨するのではなく、メリット・デメリット・成功率を正確にお伝えしたうえで、患者さま自身の意思決定をサポートすることを方針としています。

将来、凍結卵子を使用する際の条件

凍結した卵子を将来使用する際には、以下の条件があります。

  • パートナーの精子の提出が必須(精子提供者なしでの使用は不可)
  • 法律婚・事実婚いずれも対応可能
  • 将来の体外受精(胚移植)は原則として自費診療となります(2026年現在)

費用について

卵子凍結は診療にかかる行為のすべてが自費診療となります。費用は「採卵前検査」「排卵誘発の薬剤・注射」「採卵手術(麻酔含む)」「凍結保存(初年度)」「保存更新(2年目以降、年1回)」の複数の要素で構成されます。

採卵できる個数・使用する麻酔の種類・必要な薬剤量によって費用は大きく変わるため、一概に事前に「いくらかかります」とはお伝えしにくい部分があります。費用の詳細については、診察で患者様の状況を確認したうえでご説明します。

費用の構成や目安については、卵子凍結の費用・流れ・何歳まで受けられる?n24での流れを解説で詳しく解説しています。

さっぽろARTクリニックn24の卵子凍結に対する考え方

n24では、卵子凍結の実施前に現在のAMH値(卵巣予備能)と年齢から、希望される確率を得るためには何個の卵子を保存しておく必要があるのか?そのためには何回程度の採卵が必要なのか?を予想して費用の概算も提示していくことを方針としています。

「やりたいからやる」ではなく、ご自身の卵巣の状態・年齢・ライフプランを踏まえたうえで、卵子凍結が本当に有効な選択肢であるかどうかを一緒に検討します。凍結を選ばないという判断も含めて、根拠のある意思決定をサポートすることが私たちの役割です。

よくある質問(FAQ)

Q. 卵子凍結はいつ受けるのがベストですか?

A. 年齢が若いほど採れる卵子の数・質ともに有利です。日本産科婦人科学会は36歳未満での採卵を推奨しています。ただし、実際にどのタイミングが適切かは、AMH値(卵巣予備能)を確認したうえで判断することをお勧めします。

Q. 採卵は痛いですか?

A. 採卵は麻酔(局所麻酔または静脈麻酔)を使用して行います。麻酔が効いている間は痛みを感じません。術後に軽い腹部の違和感が出ることがありますが、多くは当日〜翌日には落ち着きます。

Q. 何個の卵子を凍結すればいいですか?

A. 一般的には10個以上の保存が望ましいとされています。ただし、年齢・AMH値によって1回の採卵で採れる個数は異なります。また、あなたが望む妊娠の確率によっても必要な卵子の個数は変わってきます。必要個数や採卵回数については、検査結果をもとに医師がご説明します。

Q. 凍結した卵子はいつまで保存できますか?

A. さっぽろARTクリニックn24では、満45歳の誕生日までを保存期間の上限としています。期限を超えた場合は廃棄となりますので、ご注意ください。

Q. 未婚でも卵子凍結を受けられますか?

A. はい、受けられます。ノンメディカルな卵子凍結は、現時点で結婚の予定がない未婚の女性を主な対象としています。ただし、将来使用する際にはパートナーの精子が必要です。

n24での卵子凍結のご相談について

さっぽろARTクリニックn24では、卵子凍結を検討している方を対象に、まずAMH検査・ホルモン検査を行い、現在の卵巣の状態をお伝えしたうえで実施の是非を一緒に考えます。「まだ迷っている」「費用を知りたい」という段階からでもご相談いただけます。

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参考情報

監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本 尚

最終更新: 2026年4月