精液のセルフチェックポイント
こんにちは。さっぽろARTクリニックn24検査室スタッフです。
精子の数や動きを知るには「精液検査」が一番良いのですが、受診を迷っている方や
検査を受けることに抵抗感がある方はまず精液の状態をセルフチェックしてみませんか?

まずは量です。
あくまでも目安ですが、通常1回の射精で2ml程度の精液が出るといわれています。
量は日によって変動することもありますので、たまに少ないときがあっても問題はありません。
注意が必要なのはいつも1mlより少ない場合です。
精液に含まれる精子の割合はわずか5%程度で、残りの95%は“精漿(せいしょう)”とよばれる液体成分からできています。
精液の量が少なければ精子の数も少なくなるので、どれくらい精子が含まれているか検査を受けてみるのがオススメです。
次に色です。
一般的に精子がたくさん含まれている精液は乳白色をしています。
射精の頻度が高いと薄まることもありますが、いつも透明に近くて濁っていない精液の場合は精子の数が少なく自然妊娠が難しい可能性がありますので、早めの受診をオススメします。
また、薄い赤色(血液の混入)や膿のような精液(感染症疑い)が出ている場合は泌尿器科を受診して診断・治療を受けてください。
最後に粘性です。
射精したばかりの精液はドロッとした粘り気があります。
この粘り気は膣内に射精したとき、体外へ精液が流れ出るのを防ぐ役割があります。
つまり卵子へ向かって泳いでいく精子の数自体が減らないようにしているのです。
ところが射精から30分ほど経つと、精液は粘り気がなくなりサラサラとした液体に変化します。
このような変化を“液化”といい、前立腺からの分泌液に含まれるセリンプロテアーゼという酵素が働いて起こります。
ネバネバの環境で動きが抑制されていた精子は、液化によって動きやすくなり元気よく卵子へ向かって泳いでいくことが可能となります。
問題となるのは液化が不十分な場合です。
時間がたってもネバネバした精液のままだと精子が卵子へ向かって泳ぎ出すことが難しくなります。
自然妊娠するには精子の数や動きだけでなく、この液化がきちんと起こるということも大切なのです。
ご自身の精液の状態について知りたいと思った方は、ぜひ精液検査を受けに来てください。
それでは、読んでいただきありがとうございました。