今回は、藤本先生にTSHについて教えていただきました。
TSHとは甲状腺刺激ホルモンの事です。脳下垂体で生産されるホルモンで甲状腺ホルモンを調節する作用があります。
なぜ、不妊治療に甲状腺ホルモンの数値が関係するのですか?
甲状腺機能低下症は、不妊や流産、早産、妊娠高血圧症候群などのリスクにつながります。妊娠維持にも重要なホルモンのため、当院では必ず初診時に検査をしています。
妊娠前の甲状腺機能の目標値はどれくらいですか?
妊娠前に適切なTSHの数値は2.5以下となります。
検査で異常が出た場合はどのような治療をするのでしょうか?
当院では治療ができないため専門医へ紹介し、そちらで治療を行っていきます。内服による治療が主になります。また、妊娠すると甲状腺ホルモン必要量が約1.5倍に増えるため、妊娠成立後に内服量を増やすこともあります。当院との治療と並行して甲状腺の専門医にも通院して頂き、妊娠前から甲状腺機能を正常に保つことが大切です。
妊娠中に薬を飲むことに抵抗がある患者さんもいらっしゃると思います。
甲状腺ホルモン薬はチラーヂンSというお薬ですが、妊娠中や授乳中に服用しても問題のないお薬です。
わかりました。TSHは不妊治療をする上でとても大切なホルモンなんですね。藤本先生、ありがとうございました。
藤本先生、本日はTSHについて教えてください。
当院では初診時に必ずTSHの採血をしていますがTSHとはどういったものなのですか?