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不育症になりやすい人の特徴とセルフチェックリスト| さっぽろARTクリニックn24

副院長で不育症認定医の山本貴寛医師の写真
副院長

「不育症は自分には関係ない」と思っていても、実は気づいていないリスク因子を抱えているケースがあります。流産・死産を繰り返す前に、自分の状態を知っておくことがとても大切です。この記事では不育症になりやすい人の特徴と、ご自身で確認できるセルフチェックリストをまとめました。当てはまる項目があれば、ぜひ一度ご相談ください。

不育症のリスク因子とは

不育症(流産・死産が2回以上繰り返される状態)には、背景にリスク因子が存在することがあります。詳しくは不育症とは?原因・検査・治療を不育症認定医が解説でも解説していますが、主なリスク因子は以下の通りです。

  • 抗リン脂質抗体症候群
  • 先天性子宮形態異常
  • 夫婦いずれかの染色体均衡型転座
  • 内分泌異常(甲状腺機能異常・耐糖能異常あるいは糖尿病)
  • 生活習慣(肥満・喫煙・飲酒・カフェイン)

これらのリスク因子を「自分が当てはまるかもしれない」という視点で確認することが、早期受診・早期治療につながります。

不育症になりやすい人の特徴

年齢(35歳以上、特に40代)

女性の年齢が上がるほど、胎児に染色体異常(異数性)が起こる頻度が高くなります。流産の頻度は40代で30%以上に達し、繰り返す流産の背景に年齢による染色体異常が関与していることがあります(1,3)。

ただし、年齢だけが原因ではありません。他のリスク因子と組み合わせて総合的に評価することが大切です。

抗リン脂質抗体症候群・自己免疫疾患の指摘がある

過去に「抗リン脂質抗体が陽性」「ループスアンチコアグラントが陽性」と指摘されたことがある方は要注意です。既に持病として自己免疫疾患を持っている方などがあてはまることがあります。この抗体が血液を固まりやすくし、胎盤の血流障害を引き起こして流産・死産につながることがあります(2)。

また、全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患を持つ方は、抗リン脂質抗体症候群を合併していることがあります。

子宮の形態異常を指摘されたことがある

子宮中隔・双角子宮・弓状子宮など、生まれつきの子宮の形の異常が流産の原因となることがあります。過去に超音波検査や子宮卵管造影検査で「子宮の形が気になる」と言われたことがある方は早めの検査を検討してください。

家族・パートナーに染色体異常がある

ご自身あるいは親族、パートナーあるいはパートナーの親族が「均衡型相互転座」「ロバートソン転座」などの染色体構造異常を持っている場合、受精卵に染色体の過不足が生じやすく、繰り返す流産の原因となります。血液検査(染色体検査)で確認できます。

甲状腺疾患・糖尿病がある

甲状腺機能低下症・亢進症や糖尿病(血糖コントロール不良)は、流産リスクを高める内分泌異常です。治療中の方でも、妊娠前後のコントロール状態によっては不育症に関与することがあります。

生活習慣に該当するものがある

以下の生活習慣は不育症のリスクを高めることが知られています(2)。

生活習慣リスクの内容
肥満(BMI25以上)流産リスクが上昇する
喫煙流産リスクを高める。禁煙が推奨される
過度の飲酒妊娠・胎児への影響がある
カフェインの過剰摂取1日200mg以上は控えることが推奨される

不育症セルフチェックリスト

以下の項目に当てはまるものを確認してみてください。

既往・検査歴

  • ☐ 抗リン脂質抗体陽性・ループスアンチコアグラント陽性と言われたことがある
  • ☐ 子宮の形に異常があると指摘されたことがある
  • ☐ 自分と親族、またはパートナーとパートナーの親族の染色体に異常があると言われたことがある

年齢・基礎疾患

  • ☐ 40歳以上で妊活中である
  • ☐ 甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)がある、または治療中
  • ☐ 糖尿病がある、または血糖値が高いと言われたことがある
  • ☐ 全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患がある

生活習慣

  • ☐ BMIが25以上である(肥満傾向)
  • ☐ 現在喫煙している、または最近まで喫煙していた
  • ☐ 飲酒の習慣がある
  • ☐ コーヒー・紅茶・エナジードリンクを1日複数杯飲む習慣がある

チェックが当てはまったら

2項目以上当てはまる場合、一度専門医への相談を検討してみてもいいかもしれません。「抗リン脂質抗体陽性と言われたことがある」に当てはまる場合は、早めに不育症の検査を受けることが大切です。

不育症の検査は血液検査が中心で、1〜2回の受診でほぼ完了します。原因がわかれば治療方針も立てられます。「また流産するかもしれない」という不安を抱えたまま次の妊娠を迎えるのではなく、まず現状を把握することが第一歩です。

よくある質問(FAQ)

Q. 自己免疫疾患の治療中ですが、妊娠できますか?

A. 自己免疫疾患があっても、適切な管理のもとで妊娠・出産できるケースは多くあります。まず担当の内科・膠原病科と連携しながら、不育症の検査・治療を並行して進めることが重要です。

Q. パートナー(男性)も検査が必要ですか?

A. 染色体検査はご夫婦双方の血液が必要です。その他の検査は主に女性が受けますが、なるべくご夫婦一緒に受診いただくことをお勧めします。

Q. 検査は保険がききますか?

A. 検査は血液検査が多いですが、保険適用の検査と保険が適用されない検査があります。詳しくは来院時に医師に相談ください。

さっぽろARTクリニックn24の不育症外来について

さっぽろARTクリニックn24では、副院長の山本貴寛が日本不育症学会の不育症認定医として、不育症の検査・治療に対応しています。

セルフチェックで気になる項目がある方、過去に流産・死産を経験して不安を抱えている方は、まずは一度ご相談ください。原因を調べ、ご夫婦に合った治療方針を一緒に考えていきます。

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参考情報

  1. Sugiura-Ogasawara M, et al. Endometriosis and Recurrent Pregnancy Loss as New Risk Factors for Venous Thromboembolism during Pregnancy and Post-Partum: The JECS Birth Cohort. Thromb Haemost. 2019; 119: 606-617.
  2. THE LANCET: Miscarriage series1, April 26, 2021
  3. Sugiura-Ogasawara M, et al. Abnormal embryonic karyotype is the most frequent cause of recurrent miscarriage. Hum Reprod 2012; 27: 2297-2303.

監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本 尚 / 副院長 山本 貴寛

最終更新: 2026年4月