精液検査とは
精液検査は、マスターベーションで採取した精液を顕微鏡や専用機器で分析し、以下の項目を調べます。
| 検査項目 | 内容 |
|---|---|
| 精液量 | 1回の射精で得られる精液の量 |
| 精子濃度 | 精液1mLあたりの精子数 |
| 総精子数 | 精液全体の精子数 |
| 前進運動精子率 | 前に向かって動いている精子の割合 |
| 総運動率 | 動いている精子全体の割合 |
| 正常形態率 | 形が正常な精子の割合 |
不妊カップルの約50%に男性側の原因が関与しているとされています(日本生殖医学会)。不妊の検査は「まず女性から」と思われがちですが、男性の精液検査は体への負担が少ないため、夫婦で同時に調べることが効率的です。
精液検査を受けるタイミング
以下のいずれかに当てはまる場合は、精液検査を受けることをおすすめします。
- 避妊なしで1年以上妊娠しない(一般的な不妊の定義)
- 女性側の検査で異常が見当たらない
- 過去に精巣炎・おたふく風邪にかかったことがある
- 精索静脈瘤と診断されたことがある
- 喫煙・過度の飲酒・肥満などのリスク因子がある
- 不妊治療の方針を決める前に男性側の情報が必要
精液検査の禁欲期間
精液検査を受ける前は、2〜7日間の禁欲期間(射精しない期間)が推奨されています。
| 禁欲期間 | 影響 |
|---|---|
| 短すぎる(1日以内) | 精子数・精液量が少なくなる可能性がある |
| 推奨(2〜7日) | 最も安定した結果が得られる |
| 長すぎる(7日超) | 古い精子が混ざり、運動率が低下する |
推奨は2〜7日の禁欲です。検査当日に向けて、禁欲期間をカレンダーで管理しておくと安心です。
精液検査の流れ(予約から結果まで)
1. 受診の予約
クリニックにWEBまたは電話で予約します。精液検査のみを希望している場合はその旨を伝えてください。初診でも精液検査を受けることができます。
2. 採精方法を選ぶ:自宅採精 or 院内採精
院内採精(n24のメンズルーム)
- クリニック内の採精室(メンズルーム)で採精する
- プライバシーに配慮した個室を用意しています
- 採取後すぐに精液を提出していただきます。
自宅採精
- 自宅でマスターベーションにより採取し、専用容器に入れてクリニックへ持参する
- 採取から提出まで3時間以内が目安(精子の運動率が低下するため)
- 運搬は専用の保温容器を使用します。看護師にお尋ねください
- 氷・直射日光には当てない
初回の精液検査についてはクリニック内の採精室(メンズルーム)での採精をお勧めします。
3. 検査当日の注意点
- 採取前の射精を避ける(採精の2〜7日前から禁欲)
- アルコールは採精前日から控えることが望ましい
- 激しい運動・過度の疲労は精子に影響する可能性があるため当日は避ける
- 容器は清潔に保ち、専用容器以外は使用しない
4. 検査結果の受け取り
精液検査の結果は、検査翌日以降に医師から説明を受けます。男性の精液検査だけでなく、女性の検査結果も踏まえて総合的に判断して「次のステップ(治療方針)」についても説明を受けることで、治療の見通しを立てられます。
精液検査の基準値・結果の見方
WHO(世界保健機関)の第6版マニュアル(2021年)による基準値は以下の通りです。
| 項目 | WHO基準値(下限値) |
|---|---|
| 精液量 | 1.4 mL以上 |
| 精子濃度 | 1,600万/mL以上 |
| 総精子数 | 3,900万個以上 |
| 前進運動精子率 | 30%以上 |
| 総運動率 | 42%以上 |
| 正常形態率 | 4%以上(クルーガー基準) |
重要: 基準値は平均値ではありません。自然妊娠できる最低ラインにあたる「下限値(参照下限値)」を提示したものとなります。しかし、それを下回れば必ず不妊というわけではありません。また、1回の検査で異常値が出ても2〜3週間後の再検査で正常に戻るケースもあります。結果の解釈は必ず医師に確認してください。
所見の主な分類
| 所見名 | 意味 |
|---|---|
| 乏精子症 | 精子濃度が基準値未満 |
| 精子無力症 | 運動率が基準値未満 |
| 奇形精子症 | 正常形態率が基準値未満 |
| 無精子症 | 精液中に精子がない |
| 精液所見正常 | すべての項目が基準値以上 |
男性不妊検査の費用(保険適用・自費)
精液検査の費用は、受診方法によって異なります。
| 受診パターン | 費用の目安 |
|---|---|
| 保険診療(不妊治療の一環として) | 数千円(3割負担) |
| 自費診療(保険外で検査のみ) | 5,000〜15,000円程度 |
不妊治療を保険診療で行っている場合、精液検査も保険適用の対象となります。n24での詳しい費用については、診療費用ページをご確認ください。
精液検査の結果が悪かったら
精液所見に異常が見られた場合も、程度によってさまざまな治療の選択肢があります。
| 精液所見 | 選択肢の目安 |
|---|---|
| 軽度の乏精子症・精子無力症 | 生活習慣改善・人工授精(AIH) |
| 中等度以上の乏精子症 | 体外受精・顕微授精(ICSI) |
| 高度乏精子症・精子無力症 | 顕微授精(ICSI)が主な選択肢 |
| 無精子症(閉塞性) | 精巣内精子採取術(TESE)+顕微授精 |
| 精索静脈瘤がある場合 | 泌尿器科での手術後に精子所見改善の可能性 |
「結果が悪い=子どもができない」ではありません。医師と一緒に現状を確認し、最適な方針を検討することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 精液検査は痛いですか?
A. 検査自体は採精(自分でマスターベーションで精子を採取する)のみですので、痛みはありません。
Q. 検査は何回受ければいいですか?
A. 精液所見は日によって変動するため、1回で異常が出た場合は2〜3週間後に再検査をすることが推奨されています。2回以上の検査で一貫した所見が確認された場合に、治療方針を決定します。
Q. 精液検査の結果はどのくらいで出ますか?
A. クリニックによりますが、多くの場合は当日中〜翌日に結果が出ます。n24では検査翌日以降に改めて予約を取っていただき、医師が結果を説明します。電話での結果説明は行っていません。
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さっぽろARTクリニックn24は、不妊治療専門クリニックです。もちろん男性の精液検査にも対応しています。「初めて検査を受けるのが不安」「次の治療ステップも含めて相談したい」など、どんなご相談も歓迎します。
プライバシーに配慮した院内採精室(メンズルーム)も完備しています。
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参考情報
- WHO Laboratory Manual for the Examination and Processing of Human Semen, 6th ed., 2021
- 一般社団法人 日本生殖医学会「生殖医療Q&A」
監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本 尚
最終更新: 2026年4月







精液検査とは、精液中の精子の数・運動率・形態などを調べる検査です。不妊の原因が男性側にあるかどうかを確認する最初のステップであり、体への負担が少なく短時間で結果がわかります。