この記事でわかること
痩せすぎと不妊治療の関係について、以下の内容を中心にお伝えします。
- 妊娠しやすい体重の目安
- 痩せすぎが不妊治療・妊娠に与える影響
- 健康的に体重を増やす食事・生活習慣
「痩せているのに、なかなか妊娠しない」「太りたいけれど、何から始めればいいかわからない」。この記事では、痩せすぎと不妊の関係、体重を増やすための具体的な方法を解説します。
目次
- 妊娠しやすい体重の目安
- 痩せすぎが不妊治療に与える影響
- 痩せすぎが妊娠・赤ちゃんに与える影響
- 健康的に体重を増やす食事・生活習慣
- よくある質問
- まとめ
妊娠しやすい体重の目安
妊娠を考えるうえで、まず知っておきたいのが体重の目安です。妊娠に望ましいのは、BMI20〜24、体脂肪率20〜25%程度の範囲です。BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。
BMI18.5未満は「痩せ」に分類されます。20代女性の約5人に1人が、この範囲にあるといわれています。痩せすぎ自体は、珍しいことではありません。
ただし、痩せすぎの状態が長く続くと、体は「今は妊娠に適さない」と判断します。その結果、排卵や月経のリズムが崩れてしまうことがあります。
痩せすぎが不妊治療に与える影響
痩せすぎの状態は、排卵や月経のリズムに直接影響します。急激な体重減少により、排卵や月経に必要なエネルギーが不足します。体脂肪率と卵巣機能は、密接な関係にあります。
体脂肪率が減少すると、脳の働きが抑制されます。その結果、月経不順や無月経などの卵巣機能不全が起こりやすくなります。これは、体重減少性無月経・中枢性排卵障害と呼ばれる状態。
体重減少の原因は、ダイエット・スポーツ・環境の変化・心身のストレスなどさまざまです。標準体重から15%以上減少すると、無月経が起こりやすくなるといわれています。
たとえば、身長160cm・体重56.3kgの方が45kgまで落とすと、約20%の減少です。このケースでは、エネルギー不足による無月経が起こりやすい状態です。当院にも、急激なダイエットの後に月経が止まり、来院される方がいらっしゃいます。
痩せすぎが妊娠・赤ちゃんに与える影響
痩せすぎは、妊娠成立後の赤ちゃんの発育にも関わります。母体が栄養不足の状態にあると、週数相当の発育が難しくなります。母体の栄養不足は、細胞の増殖や増大を妨げます。
その結果、赤ちゃんの体全体が小さくなることがあります。頭部は標準的でも、体だけが小さくなるケースもあります。これが低出生体重児のリスク。
さらに、胎児期に長期間の低栄養状態が続くと、将来的な影響も指摘されています。生まれてくる子どもの生活習慣病の発症リスクが高まるという考え方です。この考え方は「DOHaD」と呼ばれ、近年の周産期医療で注目されています。
妊娠中は、つわりで思うように食事が摂れない時期もあります。妊娠を考えている今のうちに、適正な体重とバランスの良い食事を見直しておきましょう。それが、赤ちゃんの将来の健康にもつながります。
健康的に体重を増やす食事・生活習慣
「太りたいけれど、何から始めればいいかわからない」という声もよく聞きます。無理な食事制限で痩せた方が、菓子類やジュースだけで体重を増やそうとすると、栄養が偏ってしまいます。
体重を増やす際は、次の3点を意識してください。
- 肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を毎食に取り入れる
- 3食に加えて、ナッツやチーズなどの間食でエネルギー摂取量を底上げする
- オリーブオイルやアボカドなど、良質な脂質を活用する
運動不足も、痩せすぎの一因になることがあります。軽い筋力トレーニングを取り入れ、筋肉量を増やす視点も有効です。極端な食事制限をしている自覚がある方は、まずその制限をゆるめてみてください。
体重を増やすペースには個人差があります。急に増やそうとせず、半年から1年程度かけて、ゆるやかに近づけていくのが現実的。
よくある質問
痩せすぎと不妊治療についてよくいただく質問をまとめました。
Q. 痩せすぎだと本当に妊娠しにくくなりますか?
痩せすぎの状態が続くと、排卵や月経のリズムが乱れやすくなり、妊娠しにくさにつながることがあります。適正体重に近づけることで、改善が期待できます。
Q. BMIがいくつだと「痩せすぎ」になりますか?
一般的にBMI18.5未満は「痩せ」に分類されます。妊娠を考えるうえでは、BMI20〜24の範囲を目安にしてください。
Q. 太りたいのですが、何を食べればいいですか?
肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を意識し、3食に加えて間食で摂取量を増やす方法がおすすめです。
Q. 体重が増えれば必ず妊娠しやすくなりますか?
体重だけが不妊の原因とは限りません。適正体重に近づけたうえで、気になる症状があれば早めにご相談ください。
Q. 生理が止まってしまった場合はどうすればいいですか?
急激な体重減少による無月経は、体重の回復とともに改善することがあります。長引く場合は早めに婦人科を受診してください。
まとめ
痩せすぎの状態は、排卵や月経のリズムを乱し、妊娠しにくさにつながることがあります。妊娠成立後も、赤ちゃんの発育や将来の健康に影響する可能性があります。妊娠を考える今のうちに、体重を見直すことが大切です。
体重を増やす際は、タンパク質を中心とした食事と間食の活用を意識してください。無理のないペースで、半年から1年ほどかけて近づけていきましょう。
月経が止まった、体重が増えないなど、気になる症状がある方はご相談ください。まずは初診のご予約からお問い合わせください。
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監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本尚









