この記事でわかること
妊娠中の接種可否から胎児への影響まで、以下の内容を中心にお伝えします。
- 新型コロナワクチンの仕組みと妊娠中に接種すべき理由
- 接種のタイミングと副反応への対応
- 流産・胎児への影響について
「妊娠中に新型コロナワクチンを接種しても大丈夫?」と不安に感じる方は少なくありません。この記事では、妊娠中の接種の安全性とタイミングを中心に解説します。
目次
- 新型コロナワクチンとは
- 妊娠中に接種すべき理由
- 妊娠中に新型コロナに感染した場合のリスク
- 接種のタイミング
- 副反応とその対応
- 流産・胎児への影響について
- よくある質問
- まとめ
新型コロナワクチンとは
新型コロナワクチンは、ウイルスの遺伝情報の一部(mRNA)を使い、体内で免疫をつくる仕組みのワクチンです。ウイルスそのものを体内に入れるわけではないため、接種によって感染する心配はありません。
mRNAは体内でごく短期間のうちに分解され、遺伝子に組み込まれることはないとされています。「不妊になる」「遺伝子が変化する」といった情報がSNS等で広まったことがありますが、これらを裏付ける科学的根拠は確認されていません。
妊娠中に接種すべき理由
妊娠中の方にも、新型コロナワクチンの接種が推奨されています。理由は大きく2つです。
1つ目は、重症化しやすいこと。妊娠中は、赤ちゃんを異物として攻撃しないよう、体の免疫の働きが通常とは違う状態になります。そのため、感染症全般にかかりやすく、重症化のリスクも高まります。
2つ目は、赤ちゃんへの移行免疫。ワクチン接種で得た母体の抗体は、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも受け渡されます。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分でワクチンを打てません。この移行免疫が、生後しばらくの間の感染を防ぐ助けになります。
妊娠中に新型コロナに感染した場合のリスク
妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、重症化しやすいことが分かっています。特に妊娠後期の感染は、呼吸器症状の悪化や、早産のリスクを高める可能性が指摘されています。
一般の方と比べて感染しやすいわけではありませんが、感染した際の重症化リスクは無視できません。ワクチン接種は、こうしたリスクに備える手段の一つです。
接種のタイミング
妊娠週数を問わず、いつでも接種できます。「妊娠何週目だから受けられない」と心配する必要はありません。
なお、妊娠12週頃までの器官形成期の接種を気にされる方もいます。器官形成期を過ぎてからの接種を希望する場合は、その旨を診察時にお伝えください。持病がある方やご不安な点がある方は、初診のご予約の際に合わせてご相談いただけます。
副反応とその対応
接種後の発熱・倦怠感・接種部位の痛みは、一般的な副反応として報告されています。多くは接種後数日以内に落ち着く、一過性のもの。
発熱や痛みがつらい場合は、アセトアミノフェン(いわゆる解熱鎮痛剤の一種)の使用が可能とされています。市販薬を使用する際も、妊娠中であることを踏まえて用法・用量を守ってください。心配な症状が続く場合は、早めにご相談ください。
流産・胎児への影響について
流産や胎児への悪影響が心配な方も多いですが、その危険性は極めて低いとされています。
アメリカのCDC(疾病予防管理センター)は、妊娠初期にワクチン接種を受けた約2,500人の妊婦を対象とした調査で、流産のリスク増加は見られなかったと報告しています。妊娠後期の接種についても、妊婦・胎児への安全上の懸念は確認されていません。
※出典: CDC(アメリカ疾病予防管理センター)発表資料
日本産科婦人科学会をはじめとする国内の学会も、希望する妊婦への接種を推奨しており、胎児への悪影響の報告はないとしています。基礎疾患のある方は、感染時の重症化リスクを踏まえ、特に接種の検討が勧められています。
※出典: 日本産科婦人科学会「妊婦に対する新型コロナウイルスワクチン接種について」
よくある質問
妊娠中の接種についてよくいただく質問をまとめました。
Q. 新型コロナワクチンを接種すると不妊になりますか?
いいえ、不妊になるという科学的根拠はありません。ワクチン接種と不妊を結びつける情報はデマであると、国内外の学会が明確に否定しています。
Q. 接種によって月経周期が乱れることはありますか?
一時的に周期が乱れたと感じる方もいますが、多くは一過性で、将来の妊娠能力への影響は確認されていません。
Q. 不妊治療中でも接種できますか?
はい、接種できます。可能であれば妊娠前の接種が望ましいですが、治療のスケジュールに合わせてご相談ください。
Q. 授乳中でも接種して問題ありませんか?
授乳中の接種も問題ないとされています。詳しくは診察時にご相談ください。
Q. 妊娠初期は接種を避けたほうがよいですか?
妊娠週数を問わず接種は可能です。ただし器官形成期にあたる妊娠12週頃までの接種を心配される方もいるため、気になる場合は診察時にご相談ください。
まとめ
新型コロナワクチンは、妊娠中の方にも接種が推奨されています。重症化しやすいこと、赤ちゃんへの移行免疫が期待できることが主な理由です。流産や胎児への悪影響も、現時点で報告されていません。不妊への影響を心配する声もありますが、これを裏付ける科学的根拠はないこと。
当院では、妊娠中・妊活中の方お一人おひとりの状況に合わせてご相談をお受けしています。接種のタイミングやご自身の状況について不安な点があれば、まずは初診のご予約からお気軽にご相談ください。
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監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本尚








