『with up! 』 こどもが欲しい”という御夫婦の思いにお応えするために、原因を徹底的に調べ、ひとりひとりに合わせた最適な治療を提供いたします。

n24コラム〈NIPTの巻〉

ご無沙汰しておりました、体外受精コーディネーターの四宮です。
今回は「NIPT(新型出生前診断)」に関してです。

昨年の11月の毎日新聞にこんな記事がありました。

Aさん(37歳 仮名)は妊娠がわかった後にNIPTを受けました。
「全部調べておいた方が安心かな」という気持ちで検査項目が最も多い20万円以上のプランに決め、日本医学会からNIPTの実施機関としての認証を受けていない無認証施設のクリニックで検査を受けました。
後日、「検査結果で陽性が検出されました」という診断結果だけが届き、Aさんは苦しみから逃れたい一心で中絶を選択しました。

ここでポイントとなってくるのが「認証施設か」「無認証施設か」ということです。
認証施設は札幌市内では北海道大学病院、札幌医科大学付属病院、NTT東日本札幌病院、手稲渓仁会病院、天使病院などがあります。

認証施設

・検査項目は13・18・21トリソミーのみ
・費用は20万円ほど
・NIPT陽性だった場合、カウンセリングや確定診断である羊水穿刺などサポート
 体制が充実している

無認証施設

・全染色体の異常や性別を調べることが可能
・費用は認証施設の半額ほどのところも
・検査結果は通知のみで説明がないといった施設もある

無認証施設では比較的料金が安く設定されているところが多いです。
ただ、無認証施設によってはNIPT検査しか行っておらず、仮にNIPT陽性だった場合、確定診断である羊水穿刺などの予約は自分で手配しなければならない場合があります。
一連の検査が同一の施設で行われないことでいざという時に対応が遅れてしまう可能性もあるため、日本医学会連合では認証施設での検査を推奨しています。

AさんはNIPT陽性という結果に動揺し、一時は妊娠継続をシャットダウンしてしまいますが、中絶手術先の大学病院の医師の勧めで羊水検査を受け、結果異常がなかったことにより最終的に出産することを決めました。

Aさんはその後無事に出産されましたが、ふとした時に出産を諦めようとしたことを思い出しては罪悪感に襲われるそうです。

出生前診断は本来は「出生前に胎児の状態や疾患を調べることで、最適な分娩方法や療育環境を検討すること」が主な目的ですが、現実的には「出産するかどうか」を決めるために受けるというのが実情のようです。

「陽性が検出された場合どうするのか」「どの程度の障害であれば受け入れていけるのか」など、家族としての未来予想図を立ててから検査を受けると良いかもしれませんね。

n24コラムは今回を以って終了とさせていただきます。
不定期な更新で拙い文章でしたが、わざわざブログを見てくださった皆様に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。