“ART”って何だろう…?
みなさん、こんにちは!さっぽろARTクリニックn24検査室スタッフです。
妊娠希望で医療機関を受診すると、タイミングや人工授精と並んで「ART(アート)」という選択肢に触れる機会も多くなったのではないでしょうか?
ARTで授かった赤ちゃんの数も10年程前は30人に1人くらいでしたが、今では『約9人に1人』という時代です。
2022年4月からは保険適用も開始しており、より身近な治療となったARTについてお話します。

ARTは妊娠しにくい要因(卵管閉塞や乏精子症など)がある方、タイミング・人工授精といった一般の不妊治療を一定期間続けてもなかなか妊娠しにくい方を対象とした治療法です。
体外に取り出した精子と卵子を受精させて成長した胚を子宮へ移植する、という流れがARTの基本となります。
当院の培養室でお預かりした精子と卵子は次のような工程を進んでいきます。
STEP1 採卵
医師が経腟エコーで確認しながら卵巣に細い針を刺し、卵胞液を吸引します。
卵胞液と一緒に卵子が回収されてきますので、その中から卵子を探して培養液の中へ移します。
STEP2 精子調整
採卵と同時進行で処理を進めていきます。提出していただいた精液の中にいる運動性の良い精子を集めます。
STEP3 体外受精・顕微授精
卵子と精子の準備が整ったら、体外受精もしくは顕微授精を行います。
体外受精と顕微授精は、精子と卵子をどのように受精させるかで異なります。
体外受精は一定時間、精子と卵子を同じ培養液の中に入れておき自然に精子が卵子の中へ入っていくのを待つ方法、顕微授精は1個の精子をとても細い針で直接卵子の中へ注入する方法です。
ここまでで採卵当日に行う工程は終了です。翌日以降は胚の様子を観察していきます。
STEP4 受精確認
受精しているかは“2前核(2PN)”というサインが出ているのを確認することでわかります。
培養室にはタイムラプスも導入してありますので、胚1つ1つの経過を観察することも可能です。
また、受精確認終了後に患者様へ受精状況をメールにてお知らせしております。
STEP5 胚凍結
胚盤胞(もしくは分割胚)まで成長した胚を専用の試薬と液体窒素を用いて凍結保存します。
すべての胚の培養が終了した時点で患者様へ凍結結果をメールにてお知らせしております。
胚を凍結できた場合は、移植へ向けて内膜の状態を整える期間が始まります。
内膜が移植に適した状態になると医師と相談の上、移植日を決定します。
STEP6 胚融解
移植当日の朝、胚を専用の試薬を用いて融解します。
そこから移植時間になるまで培養液の中で細胞をゆっくりと回復させていきます。
STEP7 胚移植
細くて柔らかいカテーテルの中に胚を吸引し、経腟エコーで確認しながら子宮の奥にわずかな量の培養液とともに胚を戻します。
STEP8 妊娠判定
採血を行い、hCG値を確認します。
このようにARTにはいくつもの工程があり金銭的にも身体的にも負担の大きい治療法です。
どうしても女性の通院回数が多くなってしまいますが“お二人の治療”ですので、日頃から話し合い情報共有して進めていくことが大切です。
当院ではARTについての説明動画も用意しておりますので、ARTを検討中の方は医師へご相談ください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!



