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【再掲】先生に質問コーナー《インフルエンザワクチンについて》

この記事でわかること

妊娠中の接種可否から胎児への影響まで、以下の内容を中心にお伝えします。

  • インフルエンザワクチンの仕組みと予防効果
  • 妊娠中に接種すべき理由
  • 流産・胎児への影響について

「妊娠中にインフルエンザワクチンを接種しても大丈夫?」と不安に感じる方は少なくありません。この記事では、妊娠中の接種の安全性とタイミングを中心に解説します。

目次

  • インフルエンザワクチンとは
  • 妊娠中に接種すべき理由
  • 妊娠中にインフルエンザにかかった場合のリスク
  • 接種のタイミング
  • 流産・胎児への影響について
  • よくある質問
  • まとめ

インフルエンザワクチンとは

インフルエンザワクチンは、ウイルスの感染力をなくした「不活化ワクチン」のため、接種によって感染する危険性はありません。ワクチンの中にウイルスそのものは含まれていない、安全性の高い予防手段。

流行するウイルスの型とワクチンの型が一致した場合、健康な成人で70〜90%程度の予防効果が期待できるとされています。ただし型が一致しない年もあるため、効果には幅があります。

妊娠中に接種すべき理由

妊娠中の方にも、インフルエンザワクチンの接種が推奨されています。理由は大きく2つです。

1つ目は、重症化・長期化しやすいこと。妊娠中は、赤ちゃんを異物として攻撃しないよう、体の免疫の働きが通常とは違う状態になります。そのため感染症全般にかかりやすくなります。

2つ目は、赤ちゃんへの移行免疫。ワクチン接種で得た母体の抗体は、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも受け渡されます。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分でワクチンを打てません。この移行免疫が、生後しばらくの間の感染を防ぐ助けになります。

海外の系統的レビューでは、妊娠中の母親がワクチンを接種した場合、生後6か月未満の赤ちゃんが検査で陽性と確定するインフルエンザ感染のリスクが約48%減少したと報告されています。入院に至るリスクの減少幅は約72%でした。

※出典: Nunes MC, Madhi SA. Human Vaccines & Immunotherapeutics, 2018;14(3):758-766

妊娠中にインフルエンザにかかった場合のリスク

妊娠後期にインフルエンザにかかると、呼吸器の病気で入院するリスクが産後と比べて3〜4倍に高まるとされています。妊婦がインフルエンザにかかる割合自体は、一般の方と大きくは変わりません。ただし、かかった際の重症化リスクが高いことが分かっています。

※出典: Neuzil KM, et al. American Journal of Epidemiology, 1998;148:1094-1102

また、妊娠後期の感染では、早産や低出生体重児(出生時の体重が少ない赤ちゃん)のリスクが高まる可能性も指摘されています。ワクチン接種は、こうしたリスクを減らすための備えの一つです。

接種のタイミング

流行が始まる前、10〜11月頃の接種が理想的です。インフルエンザが流行するのは、例年冬。妊娠週数を問わず接種できます。「妊娠何週目だから受けられない」と心配する必要はありません。

なお、発熱など体調が優れないときや、卵アレルギーが重度の方は、接種を見合わせたほうがよい場合があります。ご自身の体調やアレルギーの有無について、診察時に必ずお伝えください。持病がある方やご不安な点がある方は、初診のご予約の際に合わせてご相談いただけます。

流産・胎児への影響について

流産や胎児への悪影響が心配な方も多いですが、その危険性は極めて低いとされています

アメリカでは、妊娠週数に関わらずインフルエンザワクチンの接種が推奨されています。日本産科婦人科学会も、接種による悪影響の報告はないとしています。妊娠を望む方にとって、安心材料の一つ。

よくある質問

妊娠中の接種についてよくいただく質問をまとめました。

Q. 妊娠初期でもワクチンを接種できますか?
はい、接種できます。妊娠週数に関わらず接種可能で、悪影響の報告はありません。

Q. 授乳中でも接種して問題ありませんか?
授乳中の接種も問題ないとされています。詳しくは診察時にご相談ください。

Q. ワクチンの効果はどれくらい続きますか?
接種後2週間ほどで効果が現れ、その後およそ5か月間持続するとされています。

Q. ワクチンを打っても、インフルエンザにかかることはありますか?
はい、あります。ワクチンの予防効果は70〜90%程度とされており、感染を完全に防げるわけではありません。ただし、接種していれば重症化を防ぎやすくなります。

Q. 家族も一緒に接種した方がよいですか?
はい、ご家族の接種も効果的です。周囲の方が接種することで、妊娠中の方への感染リスク自体を減らすことにつながります。

まとめ

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンのため、妊娠中に接種しても感染の心配はありません。妊娠中は重症化・長期化しやすいこと、赤ちゃんへの移行免疫が期待できることから、流行前の接種を検討してください。流産や胎児への悪影響も、現時点で報告されていません。

当院では、妊娠中・妊活中の方お一人おひとりの状況に合わせてご相談をお受けしています。接種のタイミングやご自身の状況について不安な点があれば、まずは初診のご予約からお気軽にご相談ください。

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監修: さっぽろARTクリニックn24 院長 藤本尚