ERPeak℠子宮内膜胚受容期検査とは

子宮内膜が胚の着床を受けられる状態(すなわち受容期)にある短い期間のことを、着床の窓(WOI︓Wondow of Implantation)と呼びます。
ERPeak℠子宮内膜胚受容期検査では、遺伝子検査を用いて患者様のWOIのタイミングを確認し、患者様ごとの適切な胚移植タイミングを知ることが可能になります。

子宮内膜胚受容期を調べる理由

 着床の窓(WOI)は、通常、生殖補助医療の治療周期ではプロゲステロン投与から5日後です。
しかし、約30%の女性では、このWOIがプロゲステロン開始から5日後よりも前または後ろにずれていることがわかっています。
ERPeak℠子宮内膜胚受容期検査ではWOIのずれを調べることができます。

検査の原理

 ERPeak℠検査では、関連するホルモン応答遺伝子の発現量を調べることで、患者様のWOIの時期を特定することができます。
 これにより患者様ごとに異なる胚移植に最適な時期を知ることができ、妊娠成立の可能性を高めることができます。反復着床不全(3回以上良好胚を移植しても着床しない)の患者様に子宮内膜着床能検査を行った場合の妊娠率は検査を行わなかった群と比較して高い妊娠率が報告されています。

 左のグラフは2018年に発表されたデータですが、事前に胚の染色体異常を調べて異常のない胚(正倍数性胚)を胚移植する場合、子宮内膜胚受容期検査をした群の方が着床率、妊娠継続率、出生率ともに高くなったという報告があります。

 ここで注意してほしいのは、正倍数性胚を移植しているということです。こうすることで、年齢による妊娠率の差はある程度考えないで済みます。
 また、もう一つは、正倍数性胚を移植しても着床率はERPeak検査をしても68% 、生児出生率は41%であるというところです。つまり、着床の窓のずれを修正しただけでは出産に至らない人もいるという点です。もちろん一定率の人はこの検査をすることで出産に近づけます。ただ、魔法の方法ではないということも認識する必要があります。着床の窓のずれを修正しても出産に至らない人は他にも原因がある可能性が高いということになります。

検査の方法

 検査のために子宮内膜生検を行います。行うのは凍結融解胚移植周期と同様に(ホルモン周期でも自然周期でも)子宮内膜を作り、移植する日(高温期5日目)に移植をせずに子宮内膜生検を行います。検査検体を分析機関に送付し生検後2~3週間で検査結果が判明します。
 検査結果を踏まえて改めての移植周期で検査結果に合わせて(着床の窓がずれている場合にはずれを修正して)胚移植を行います。

ERPeak℠判定結果

 ERPeak℠検査の結果は、非受容期、受容期前、受容期、受容期後、結果なしのいずれかで報告されます。検査結果が受容期前または受容期後の場合、推奨される移植時期(着床の窓がどの程度ずれているので、どのくらい修正して移植したらいいかを提示してくれます)についても結果は提示してくれます。

参考資料提供:オリジオ・ジャパン株式会社

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